整体で改善する肩関節周囲炎の拘縮期ケア|Habi Gym
肩関節周囲炎は「五十肩」「四十肩」とも呼ばれ、多くの方が経験する肩の疾患です。この疾患は炎症期、拘縮期、回復期という3つの段階を経て進行しますが、特に拘縮期は肩の可動域が著しく制限される時期として知られています。拘縮期に入ると激しい痛みは軽減するものの、肩が動かしにくくなり日常生活に支障をきたすケースが少なくありません。整体では、この拘縮期の症状に対して筋膜リリースや関節モビライゼーションなどの手技を用いることで、硬くなった組織を緩和し可動域の改善を図ります。本記事では、肩関節周囲炎の拘縮期における整体の役割と効果的なアプローチ方法について、専門的な視点から解説していきます。
肩関節周囲炎の拘縮期とは
肩関節周囲炎の拘縮期は、炎症期の後に訪れる段階で、一般的には発症から3〜9ヶ月程度続くとされています。この時期の最大の特徴は、痛みが徐々に軽減する一方で、肩関節の可動域制限が顕著になることです。関節包や周囲の軟部組織が癒着し、肩を動かそうとしても物理的な制限により思うように動かせなくなります。
夜間痛は炎症期と比較して軽減しますが、無理に動かそうとすると痛みが生じるため、患者さんは徐々に肩を動かさなくなり、さらに拘縮が進行するという悪循環に陥りやすいのが特徴です。
拘縮期の主な症状
拘縮期における代表的な症状には、肩関節の外転制限、外旋制限、内旋制限があります。具体的には、髪を結ぶ動作、洗濯物を干す動作、エプロンの紐を結ぶ動作などが困難になります。また、肩甲骨周囲の筋肉も硬直しやすく、肩甲骨の動きが悪くなることで姿勢の悪化を招くこともあります。
理学療法士コメント: 「拘縮期は痛みが減るため『治ってきた』と誤解されがちですが、実際には関節包の線維化が進行している段階です。この時期に適切な運動療法や整体によるケアを行わないと、可動域制限が固定化してしまう可能性があります」
整体が拘縮期に有効な理由
整体は、肩関節周囲炎の拘縮期において非常に有効なアプローチとして認識されています。その理由は、整体が関節や筋肉、筋膜といった軟部組織に直接働きかけ、癒着した組織を緩める効果があるためです。
拘縮期の肩関節周囲炎では、関節包が肥厚・癒着し、正常な滑走運動が妨げられています。整体による手技療法は、この癒着を徐々に解消し、関節の可動域を改善することを目指します。
整体による具体的なアプローチ
整体では、まず肩甲骨周囲の筋肉の緊張を緩和します。肩甲骨の動きが改善されることで、肩関節への負担が軽減され、可動域の拡大につながります。次に、肩関節自体に対して関節モビライゼーションという手技を用いて、関節包の癒着を段階的に解消していきます。
さらに、筋膜リリースという技術を用いて、肩周囲だけでなく首や背中、胸部といった関連部位の筋膜の緊張も緩和します。肩関節周囲炎は局所的な問題だけでなく、全身の姿勢やバランスの崩れが関与していることが多いため、包括的なアプローチが重要です。
理学療法士コメント: 「整体による手技は、患者さん自身では難しい深部組織へのアプローチが可能です。特に拘縮期では、無理な自己流ストレッチよりも、専門家による段階的な組織の解放が安全かつ効果的です」
拘縮期における整体の実践的手法
拘縮期の肩関節周囲炎に対する整体では、いくつかの実践的な手法が用いられます。重要なのは、痛みを伴わない範囲で徐々に可動域を広げていくことです。
関節モビライゼーション
関節モビライゼーションは、関節面に対して特定の方向へ微細な動きを加える技術です。肩関節の場合、上腕骨頭を肩甲骨の関節窩に対して滑らせるように動かすことで、関節包の癒着を緩和します。この手技は非常に繊細で、施術者の技術と経験が求められます。
筋膜リリース
筋膜リリースでは、肩周囲だけでなく、胸部の大胸筋や小胸筋、背部の菱形筋や僧帽筋といった広範囲の筋膜に働きかけます。これらの筋肉は肩関節の動きと密接に関連しており、これらの緊張を緩和することで肩の可動域改善につながります。
理学療法士コメント: 「拘縮期の整体では『痛気持ちいい』程度の刺激が理想的です。強い痛みを伴う施術は筋肉の防御反応を引き起こし、かえって拘縮を悪化させる可能性があります」
整体と併用すべきセルフケア
整体による施術効果を最大化するためには、日常的なセルフケアとの併用が不可欠です。整体で得られた可動域を維持・向上させるには、自宅でも継続的なケアを行う必要があります。
推奨される運動
拘縮期には、振り子運動(コッドマン体操)が推奨されます。これは、上半身を前傾させて腕を脱力し、重力を利用して肩を円を描くように動かす運動です。関節への負担が少なく、関節包の柔軟性を保つのに効果的です。
また、壁を使った肩甲骨のストレッチや、タオルを使った肩の可動域訓練も有効です。ただし、どの運動も痛みが強く出ない範囲で行うことが原則です。
日常生活での注意点
拘縮期でも、できる限り肩を使うことが大切です。完全に動かさないでいると、さらに拘縮が進行してしまいます。日常生活の中で、痛みのない範囲で肩を動かす機会を意識的に作りましょう。
理学療法士コメント: 「整体による施術は週に1〜2回程度が一般的ですが、その間の6日間をどう過ごすかが回復の鍵を握ります。セルフケアを習慣化することで、施術効果が持続し、回復が加速します」
よくある質問(FAQ)
Q1: 拘縮期の整体はどのくらいの頻度で受けるべきですか?
A: 一般的には週に1〜2回の頻度が推奨されます。拘縮期は組織の癒着が進行している段階なので、定期的な施術によって徐々に癒着を解消していくことが重要です。ただし、症状の程度や個人の回復力によって最適な頻度は異なるため、施術者と相談しながら調整することをお勧めします。
Q2: 整体を受ければ拘縮期はすぐに改善しますか?
A: 拘縮期の改善には時間がかかります。関節包の癒着や線維化は数ヶ月かけて進行したものであり、それを解消するにも相応の期間が必要です。一般的には、適切な整体とセルフケアを継続することで、3〜6ヶ月程度で徐々に可動域の改善が見られることが多いです。焦らず継続的なケアを心がけましょう。
Q3: 拘縮期の整体で痛みが出ることはありますか?
A: 適切な整体では、強い痛みが出ることは避けるべきです。ただし、癒着した組織を解放する際に、多少の違和感や「痛気持ちいい」程度の感覚を伴うことはあります。施術中に我慢できないほどの痛みを感じた場合は、すぐに施術者に伝えることが大切です。痛みが強すぎると筋肉が緊張し、かえって逆効果になる可能性があります。
まとめ
肩関節周囲炎の拘縮期は、痛みは軽減するものの可動域制限が顕著になる時期であり、適切なケアが非常に重要です。整体は、関節包の癒着を緩和し、筋膜や筋肉の緊張を解消することで、拘縮期の症状改善に有効なアプローチです。
関節モビライゼーションや筋膜リリースといった専門的な手技により、自己流では難しい深部組織へのアプローチが可能となります。また、整体の効果を最大化するためには、セルフケアとの併用が不可欠であり、振り子運動やタオルを使ったストレッチなどを日常的に行うことが推奨されます。
拘縮期の改善には時間がかかりますが、適切な整体と継続的なセルフケアによって、徐々に可動域は改善し、日常生活の質も向上していきます。焦らず、専門家のアドバイスを受けながら、根気強く取り組むことが大切です。
参考文献
- 日本整形外科学会「肩関節周囲炎診療ガイドライン」https://www.joa.or.jp/
- 厚生労働省「肩関節疾患の病態と治療」https://www.mhlw.go.jp/
- 日本理学療法士協会「肩関節周囲炎に対する理学療法」https://www.japanpt.or.jp/
- 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「肩関節の構造と機能」https://www.nibiohn.go.jp/
- 日本整体協会「整体による肩関節疾患へのアプローチ」https://www.seitai.or.jp/
Habi Gymは、国家資格の理学療法士が常駐しているため、持病をお持ちでも、専門的な観点からオーダーメイドのプログラムを提供することできるパーソナルジムです。リハビリで病院やクリニックに通っていたが、その後も体の悩みが改善されない方は一度ご相談ください。

