四十肩を整体で改善する方法と選び方|Habi Gym
四十肩(肩関節周囲炎)は40〜50代に多く発症し、肩の痛みや可動域制限を引き起こす疾患です。日常生活での着替えや洗髪などの動作が困難になり、夜間痛で睡眠の質が低下することもあります。整体施術は四十肩の症状緩和に有効なアプローチの一つとされており、関節の動きを改善し筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。本記事では四十肩に対する整体の効果、施設の選び方、併用すべきセルフケアについて専門的な視点から解説します。
四十肩の基本的なメカニズムと症状
四十肩は正式には「肩関節周囲炎」または「癒着性関節包炎」と呼ばれ、肩関節を包む関節包や滑液包に炎症が生じる疾患です。発症初期は急性炎症期で強い痛みが特徴的であり、その後拘縮期へと移行し可動域制限が顕著になります(参照)。
発症メカニズムと進行段階
四十肩は炎症期・拘縮期・回復期の3段階を経て進行します。炎症期では肩関節包の炎症により安静時痛や夜間痛が出現し、拘縮期には関節包の癒着により肩の挙上や回旋動作が制限されます。回復期には徐々に可動域が改善しますが、適切な介入がなければ数か月から2年程度症状が持続することもあります(参照)。
理学療法士コメント: 「四十肩は自然経過で改善することもありますが、拘縮期に適切な運動療法や徒手療法を行わないと可動域制限が残存するケースがあります。早期からの適切な介入が重要です」
四十肩と五十肩の違い
四十肩と五十肩は医学的には同じ疾患ですが、発症年齢によって呼び名が異なります。どちらも肩関節周囲炎を指し、症状や治療アプローチに本質的な違いはありません。
整体が四十肩に効果的な理由
整体施術は四十肩の各段階において異なるアプローチで症状改善をサポートします。関節可動域の改善、筋緊張の緩和、姿勢調整などを通じて痛みの軽減と機能回復を促進します。
関節可動域の改善アプローチ
四十肩では肩甲上腕関節の拘縮が主要な問題となりますが、整体では関節モビライゼーションや軟部組織リリースにより癒着した関節包を段階的に伸張します。特に後方関節包の拘縮は肩の挙上制限の主因となるため、この部位へのアプローチが重要です(参照)。
理学療法士コメント: 「関節包の癒着に対しては、無理に可動域を広げようとすると炎症を悪化させる可能性があります。組織の治癒段階に合わせた適切な強度での徒手療法が必要です」
周辺筋群への筋膜リリース
四十肩では肩甲骨周囲筋や頸部筋群にも二次的な緊張が生じます。整体による筋膜リリースは僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋などの緊張を緩和し、肩甲骨の正常な動きを回復させることで肩甲上腕リズムを改善します。
姿勢と動作パターンの修正
猫背姿勢や肩甲骨の位置異常は四十肩の発症リスクを高め、症状を悪化させます。整体では胸椎の可動性改善や肩甲骨ポジションの修正を行い、肩関節への負担を軽減する姿勢づくりをサポートします(参照)。
整体施設の選び方と確認すべきポイント
四十肩治療のための整体施設選びでは、施術者の専門性や施設の方針を慎重に確認する必要があります。
施術者の資格と専門性
理想的には理学療法士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの国家資格を持つ施術者が在籍する施設を選ぶことが推奨されます。肩関節の解剖学的知識と四十肩の病態理解がある施術者であれば、症状段階に応じた適切なアプローチが期待できます。
理学療法士コメント: 「四十肩の施術では炎症期と拘縮期で全く異なるアプローチが必要です。病態を正確に評価できる知識を持った施術者を選ぶことが回復への近道です」
初回評価とオーダーメイド施術の有無
初診時に詳細な問診と可動域評価、疼痛評価を行い、個別の施術計画を立てる施設が信頼できます。画一的な施術ではなく、症状の進行段階や患者の生活背景に応じたオーダーメイドのプログラムを提供しているか確認しましょう。
医療機関との連携体制
整体は補完的なアプローチであり、重度の症状や改善が見られない場合は医療機関での精査が必要です。医師との連携体制があり、必要に応じて紹介を行う施設であれば安心して通院できます(参照)。
整体と併用すべきセルフケア方法
整体施術の効果を最大化し持続させるには、日常的なセルフケアが不可欠です。
ホームエクササイズの重要性
拘縮期以降は自宅でのストレッチや可動域運動が回復を促進します。振り子運動(コッドマン体操)や壁を使った肩の挙上運動などを1日2〜3回実施することで、整体で得られた可動域を維持・拡大できます。
理学療法士コメント: 「セルフケアは『痛みを我慢して行う』のではなく『痛みの出ない範囲で徐々に広げる』ことが原則です。無理な運動は症状悪化につながります」
温熱療法と冷却療法の使い分け
急性炎症期には冷却(アイシング)で炎症を抑え、拘縮期以降は温熱療法で血流を促進し組織の柔軟性を高めます。入浴での温熱効果も有効ですが、炎症が強い時期は避けるべきです。
日常生活動作の工夫
痛みを誘発する動作(高い棚への手伸ばし、無理な姿勢での作業など)を避け、肩に負担の少ない動作パターンを習得することが重要です。整体施術者から具体的な動作指導を受けることも有効です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 四十肩の整体はどのくらいの頻度で通えばよいですか?
A: 症状の段階によって異なりますが、急性炎症期は週1〜2回、拘縮期は週1回、回復期は2週に1回程度が一般的です。ただし個人差が大きいため、施術者と相談しながら調整することが重要です。期間としては3〜6か月程度の継続的なケアが推奨されます。
Q2: 整体だけで四十肩は完治しますか?
A: 整体は症状緩和と機能改善に有効ですが、医学的な治療(必要に応じた薬物療法や注射療法)との併用がより効果的です。症状が改善しない場合や強い痛みが持続する場合は、整形外科医の診察を受けることが推奨されます。整体はあくまで保存療法の一環として位置づけられます。
Q3: 痛みが強い時期でも整体を受けてよいですか?
A: 急性炎症期(発症後2〜4週間)で強い痛みがある時期は、強い刺激の施術は避けるべきです。ただし軽度の関節運動や周辺筋のリラクゼーションは可能な場合があります。施術前に必ず症状の状態を施術者に伝え、適切な強度での施術を受けることが重要です。
まとめ
四十肩に対する整体アプローチは、関節可動域の改善、筋緊張の緩和、姿勢調整を通じて症状の緩和と機能回復をサポートする有効な方法です。ただし症状の進行段階に応じた適切なアプローチが必要であり、専門知識を持つ施術者を選ぶことが重要です。整体施術と並行して、ホームエクササイズや日常生活動作の工夫を行うことで、より効果的かつ持続的な改善が期待できます。症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診し、総合的な治療計画のもとで整体を活用することが推奨されます。適切なケアにより、四十肩による生活の質の低下を最小限に抑え、早期の機能回復を目指しましょう。
参考文献
- 日本整形外科学会「肩関節周囲炎診療ガイドライン」https://www.joa.or.jp/
- 厚生労働省「肩関節疾患の疫学と予防」https://www.mhlw.go.jp/
- 日本理学療法士協会「肩関節周囲炎に対する理学療法」https://www.japanpt.or.jp/
- 日本肩関節学会「肩関節周囲炎の病態と治療」https://www.shoulder-jp.com/
- 国立健康・栄養研究所「運動器疾患の予防と管理」https://www.nibiohn.go.jp/
- 日本整体協会「整体施術の科学的根拠」https://www.seitai.or.jp/
- 東京大学医学部附属病院「肩関節疾患の診療指針」https://www.h.u-tokyo.ac.jp/
Habi Gymは、国家資格の理学療法士が常駐しているため、持病をお持ちでも、専門的な観点からオーダーメイドのプログラムを提供することできるパーソナルジムです。リハビリで病院やクリニックに通っていたが、その後も体の悩みが改善されない方は一度ご相談ください。

